腱鞘炎になると、日常生活で痛みを伴うことがあるため気になっている方もいるでしょう。腱鞘炎を放置しても自然と改善していくことはほとんどないため、早めに対処するようにしましょう。この記事では、腱鞘炎の原因や改善方法などについて詳しく解説します。
腱鞘炎とはどんな症状?
腱鞘炎とは、手や指の腱と、それを包み込んでいる腱鞘という部分が炎症を起こすことで、痛みや動かしにくさが生じる症状です。
手をよく使う人に起こりやすく、悪化すると日常生活にも支障をきたすことがあります。腱鞘炎には大きく分けてドケルバン病とばね指の二種類があり、それぞれ症状や影響の出る部位が異なります。
ドケルバン病は、手首の親指側に痛みが出るタイプの腱鞘炎です。例えば、タオルを絞ったり、瓶のフタを開けたりする動作で痛みを感じます。手首の親指側に負担がかかることで炎症が起こり、悪化すると物を握るのすら辛くなってしまうでしょう。
一方、ばね指は、指の付け根で炎症が起こる腱鞘炎で、指を動かそうとすると引っかかるような感覚が特徴です。腱の動きを支える腱鞘に炎症が起こることで、指がスムーズに動かなくなり、曲げ伸ばしの際にカクンと引っかかる感じがします。悪化すると、指が曲がったまま元に戻りにくくなることもあります。
腱鞘炎になりやすい職業は?
職業によっては、腱鞘炎になりやすいことがあります。ここでは、腱鞘炎になりやすい職業についてご紹介します。
デスクワークでパソコンを使う機会が多い仕事
腱鞘炎になりやすい職業として、まずデスクワークなどでパソコンを使う機会が多い職業が挙げられます。
パソコンを長時間使用すると、キーボードを打つ動作やマウスを操作する動作が積み重なるため、手首や指に負担がかかりやすくなります。データ入力や事務作業などを行う人は、細かい動きを繰り返すため、腱鞘炎になるリスクが高くなります。
また、長時間同じ姿勢で作業をしていると、手首の角度が固定されやすく、血流が悪くなることがあります。疲れがたまると、炎症が起こりやすくなり、手首や指の痛みにつながるのです。
現代は仕事にパソコンが欠かせません。コロナ禍を経てリモートワークが増えたことで、これまで以上にパソコンを触る機会が増えた方が多いと思います。そのため、腱鞘炎は特定の人だけでなく誰もが発症する可能性のある症状といえます。
手の指をよく使用する機会が多い仕事
指を頻繁に動かす仕事も、腱鞘炎のリスクが高いといわれています。
例えば、理容師や美容師は、ハサミを使って細かいカットを繰り返し行うため、手や指に負担がかかります。また、大工や料理人も、工具や包丁を長時間握り続けるため、手首や指の腱への負担が大きくなりがちに。
楽器を演奏する仕事も同様で、ピアニストは指を細かく動かしながら長時間演奏するため、手に疲労がたまりやすくなります。
子育て中の人
子育てをしている人も腱鞘炎になりやすいといわれています。
子育てをしていると、赤ちゃんを抱っこしたり、オムツを替えたりと、手を使う機会が非常に多くなります。授乳や抱っこなどで手首を曲げた状態が続くことで、腱や腱鞘に負担がかかりやすく、腱鞘炎を発症してしまうことも。
また、成長とともに子どもが大きくなると、抱っこやお世話で使う力も強くなり、手や指への負担がさらに増えてしまいます。育児中は自分のケアを後回しにしがちですが、手首をサポートするサポーターを使ったり、こまめに手を休ませることが、腱鞘炎を防ぐポイントになります。
腱鞘炎を放置していたら自然に改善していく?
腱鞘炎は、軽いものであれば一時的には症状が落ち着くこともありますが、基本的には自然に完全に治ることはあまりありません。
痛みを感じているのにもかかわらず、無理をして手を使い続けると、炎症が悪化して回復までにより長い時間がかかることがあります。
また、腱鞘炎を放置すると、痛みの範囲が広がり、手首だけでなく親指や前腕にまで影響が出ることも。初期のうちは、休ませることで症状が和らぐこともありますが、長期間炎症が続くと腱鞘が固くなって手術が必要になることもあります。
放置することはおすすめできません。できるだけ早めにケアしていきましょう。手を休めたり、サポーターを使ったりすることで症状を軽減し、悪化を防ぐことができます。
腱鞘炎を改善する方法は?
腱鞘炎には、改善方法がいくつかあります。ここからは、腱鞘炎を改善する方法を4つご紹介します。
まずは安静にする
腱鞘炎は、手や指の使いすぎが原因なので、まずはできるだけ安静にすることが基本です。痛みを感じる部分に負担をかけないように、意識的に手を休めましょう。
完全に動かさないと関節が硬くなってしまうこともあるため、バランスを見ながら生活で必要な範囲の動作は行うようにしてくださいね。
また、サポーターやテーピングで固定すれば、手首や指の負担を軽くしながら動かすことができます。仕事や家事で手を使わざるを得ない場合は、休憩をしっかり取りましょう。
さらに、アイシングや温熱療法もおすすめです。痛みが強いときは冷やして炎症を抑え、血行を良くするために温めることも効果的です。
薬物療法
腱鞘炎の症状がつらいときには、薬を使って改善を目指すこともあります。湿布や塗り薬を使って炎症を和らげることができます。また、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)という飲み薬が処方されることもあり、痛みや腫れを抑えるのにおすすめです。
もしも、湿布や飲み薬だけでは改善が見られない場合は、ステロイド薬を使った注射が行われることもあります。薬に頼りすぎると根本的な解決にはならないため、日常的なケアと組み合わせながら進められることが一般的です。
ステロイド注射については、次で詳しくご紹介します。
ステロイド注射
日常生活に支障をきたすほどに痛みが強く出る場合は、ステロイド注射という方法があります。これは、炎症が起きている腱鞘の中に直接ステロイド薬を注射することで、痛みや腫れを抑える方法です。通常、2〜3週間ほどで効果が現れ、3ヶ月から半年ほど持続するとされています。
ただし、痛みがなくなったからといって、すぐに手を酷使すると再発するリスクがあります。腱鞘炎は、手を使いすぎることが原因で起こるため、たとえ症状が改善しても同じ作業を繰り返す場合は気をつけましょう。また、体質的に腱鞘炎になりやすい人は、日頃から手をいたわって再発防止に努めましょう。
ストレッチ
腱鞘炎による痛みが気になる場合は、簡単にできるストレッチを取り入れてみましょう。
自宅や仕事中にサクッとできるストレッチ方法を2つご紹介します。
手首をゆっくり伸ばすストレッチ
《手順》
- 片方の腕を前に伸ばし、手のひらを下に向けます。
- もう片方の手で指先をゆっくりと下に押し、手首を伸ばします。
- そのまま10〜15秒キープし、手首の内側が心地よく伸びているのを感じましょう。
- 反対の手も同じように行います。
《ポイント》
・痛みがある場合は無理をせず、心地よい範囲で行いましょう。
・力を入れすぎず、呼吸を意識しながら伸ばすのが大切です。
指をほぐすストレッチ
《手順》
- 片方の手の指を開き、もう片方の手で1本ずつ指を優しく反らせます。
- 指の付け根が伸びるのを感じながら、5秒ほどキープします。
- 親指から小指まで順番に行いましょう。
- 最後に、手全体をブラブラと振ってリラックスします。
《ポイント》
・指の関節に負担をかけすぎないように、ゆっくりと動かしましょう。
・ストレッチ後は手を温めると血流が良くなり、さらに効果的です。
腱鞘炎がなかなか治らないのはなぜ?
腱鞘炎による痛みがある時に無理をして使い続けると炎症が悪化し、なかなか治りにくくなることがあります。手を休める時間が少なく、炎症が慢性化しやすいのです。
初期の軽い痛みなら、安静にすることで自然に回復することもありますが、痛みを無視して使い続けると、腱や腱鞘が固くなり、指や手首の動きが制限されることも。重症化すると、箸が持てなくなったり、ペットボトルのフタが開けられなくなるなど、日常生活にも支障をきたすことがあります。
腱鞘炎でお悩みの方は『匠整体院』にご相談ください!
腱鞘炎でお悩みの方は、『匠整骨院』にご相談ください。
当院では、日常生活における負担を減らし、より良いコンディションで毎日を送るためのアドバイスを行っています。
例えば、以下の動作は、体への負担を大きくするため、当院では避けていただくよう推奨しています。
- 膝を直接床につける
- 床中心の生活
- 強い力によるマッサージ
しかし、このような動作は日常生活でついついやってしまうものです。
根本から症状を解決するために、お客様の生活スタイルや症状の状態を詳しくヒアリングして、改善するためのサポートを行っています。
今お悩みの症状を一緒に改善しませんか?ぜひお気軽にご相談ください!
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