腰痛や下肢の痺れの原因がすべり症によるものだと診断されたことがある方もいるのではないでしょうか。しかし、すべり症とはどのような状態なのか詳しく分からないという方も少なくないでしょう。
今回は、すべり症には種類があることから解説していきます。それぞれの原因や症状、自宅で改善するための筋トレ方法なども合わせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
腰椎すべり症にはいくつかの種類がある!
腰椎すべり症とは、腰椎の中にある神経の束が走行している部分の脊柱管が狭くなり、神経が圧迫されることで症状が出現します。腰椎は、第1から第5までの椎骨で構成されています。その中でも主に第4、第5腰椎に発生することが多いです。
腰椎すべり症には発生機序や症状、脊柱管の圧迫の有無などによっていくつかに分類されます。いずれも、症状やレントゲンやMRIなどの検査を用いて背骨の状態を観察し診断します。治療は、症状の程度やすべり症の進行度によって異なります。軽症の場合には内服薬によって症状をコントロールする方法が取られることもあります。重症化の場合には、手術が検討されることもあるでしょう。手術では、脊柱管の圧迫になっている原因を解消することで、症状の緩和が見込まれます。
では、すべり症の中でも代表的な、分離すべり症、変性すべり症、形成不全性すべり症の3つについて詳しく解説していきます。それぞれの特徴や発症世代なども解説しますので、ぜひ参考にしてください。
①腰椎分離すべり症
椎体が前方に滑ってしまうことで起こるすべり症です。繰り返される椎体への負荷によって、椎体の後方部に亀裂などが入り引き起こされます。若年層での発症が多く、スポーツ選手の約40%の人が腰椎分離すべり症であるとも言われています。
原因
椎体への繰り返される負荷や疲労骨折が原因で起こります。ジャンプや腰を反らす動きなどスポーツなどで椎体にストレスがかかり、体が柔らかい成長期頃での発症が多く見られます。
症状
症状には下記のようなものがあります。
- 腰痛
- 下肢痛
- 痺れ
進行度によって、症状の程度は異なります。重症化すると外科的治療の対象となることもあります。
②腰椎変性すべり症
腰椎変性すべり症では、腰部脊柱管狭窄症と同様な症状が出るのが特徴です。治療には、内服薬、牽引や温熱、硬膜外注射などが選択されます。これらでも症状の改善が見られない場合には、手術を検討します。
手術では、主に椎体の間にありクッションの役割を担っているはみ出た椎弓を切除し脊柱管の圧迫を解除したり、椎体を固定したりする方法が取られます。
原因
椎間板の劣化や椎間板の菲薄化により安定性を失ったことで、椎体が滑ってしまう状態です。
これらは、年齢とともに引き起こされることが多く、加齢によるものが原因とされています。そのため、高齢者に多く特に女性に多く見られます。
症状
症状の特徴として、可動によって痛みが出現しますが、少し休むと軽快し可動できるというサイクルがあります。出現する症状には下記のようなものがあります。
- 腰から太ももにかけて痺れのような痛みが走る
- 腰痛
- 間欠性跛行
- 排尿障害
腰痛は、腹筋を使うことを意識したり、ストレッチしたりすることで予防や緩和になります。しかし、すべり症自体の予防や緩和にはならないため、あくまでも腰痛の症状に対してのみ有効です。
③形成不全性腰椎すべり症
形成不全性すべり症は、生まれつき脊椎に異常がある先天性のすべり症です。非常に稀な疾患とされています。比較的若い頃から症状が現れ、腰椎の分離も伴っていることがあります。すべり症の中でも重症化しやすくなる可能性もあります。
原因
先天性のため、詳しい原因は不明です。遺伝的要素が関与しているとも言われています。
腰椎と仙椎の形成不全で、通常、腰椎よりも後方に湾曲している仙椎が第5腰椎よりも前方や前側方に変形していることが多いとされています。
症状
症状は多岐に渡りますが、主に出現する症状は下記のようなものです。
- 腰痛
- 馬尾神経症状による痺れ
- 下肢痛
- 間欠性跛行
- 排尿障害
自然治癒は見込まれず、一般的には経過不良とされています。症状の緩和には、内服やリハビリテーション、手術が検討されます。
すべり症を改善するための自宅でできる筋トレ方法は?
すべり症の改善には筋トレやストレッチが有効とされています。しかし、間違った方法や姿勢で行うと症状を悪化させてしまう可能性もあります。どんなストレッチや筋トレ方法でも反り腰にならないことが重要です。
では、すべり症の改善におすすめな自宅でできる筋トレ方法を3つご紹介します。
腹筋
腹筋と広背筋などの背中から腰にかけてある筋肉のバランスは腰痛の改善に重要です。特に腹筋は、日頃からしっかりと使うことで腰への負担を軽減することができます。また、腹筋が弱いと反り腰になりやすく、椎体が前方にすべりやすい状態になります。
腹筋の姿勢や方法は下記の通りです。
- 仰向けの状態で膝を立てる
- 臍を覗き込むように頭を上げる
この際にゆっくりと息を吐くようにしましょう。
- ゆっくりと戻る
この動作を10回繰り返し、1日に3回を目安に行いましょう。
背筋
腹筋同様、背筋を鍛えることですべり症の改善に効果が期待できます。背筋は、正しい姿勢を保つために重要な筋肉です。
背筋を鍛える方法は下記の通りです。
- 四つん這いになり、手と足は肩幅に開く
- 片手と反対の片足を膝をついたまま上げて、5秒キープする
手はしっかりと伸ばしましょう。キープ中に息を吐くと効果的です。
- ゆっくりと戻し、反対側も同様に行う
この動作を左右5回ずつ繰り返し、1日に3回を目安に行いましょう。
ヒップアップ
お尻の筋肉は、大臀筋とも呼ばれ体の中でも大きな筋肉の一つです。ヒップアップでは、大臀筋を含む腰回りの筋肉もトレーニングすることができるため、脊柱管にかかるストレスの軽減につながります。
ヒップアップの方法は下記の通りです。
- 両膝を立てて、仰向けになる
- 腕は体の横に置き、足の裏で床を押すようにして、お尻を上げる
この際に、反り腰にならないように腹筋にも力をいれましょう。
- 10秒キープする
この動作を10回繰り返し、1日に3回を目安に行いましょう。途中、腰痛があった際には中断しましょう。
すべり症でお悩みの方は『匠整体院』にご相談ください!
すべり症でお悩みの方は、『匠整骨院』にご相談ください。
当院では、日常生活における負担を減らし、より良いコンディションで毎日を送るためのアドバイスを行っています。
例えば、以下の動作は、体への負担を大きくするため、当院では避けていただくよう推奨しています。
- 膝を直接床につける
- 床中心の生活
- 強い力によるマッサージ
しかし、このような動作は日常生活でついついやってしまうものです。
根本から症状を解決するために、お客様の生活スタイルや症状の状態を詳しくヒアリングして、改善するためのサポートを行っています。
今お悩みの症状を一緒に改善しませんか?ぜひお気軽にご相談ください!
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